木型の形状

弊社では、普段、木型屋さんからの依頼で木型をNC加工しています。
材料はサンモジュールTWを使用しています。

今回の木型は年号やロット番号を「コマ」にするような設計となりました。
いつも通りに主型と同じくサンモジュールで作成したのですが納期に余裕があったので、実験的に3Dプリンタでもコマを作ってみることにしました。
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コマを入れるための主型の凹み部分


不安要素

「コマ」を作るにあたり不安だったのが精度でした。
3Dプリンタで作成したコマが、既に加工済みの主型にキチンと収まるかどうかです。

3Dモデルより大きく出来てしまうのか、小さく出来てしまうのか。
後加工の難易さも実用性を計る基準となります。

希望としては、サンモジュールで作成したのと同等の精度です。
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サンモジュールTW(主型と同材質)で作ったコマを収めた状態


3Dプリント

弊社の3Dプリンタ「Stratasys Prodigy Plus」にてコマを作成しました。
3DモデルはサンモジュールTWをNC加工したのと同じモデルを、STL形式でファイル保存したものです。
クリアランスの調整などは一切行いませんでした。

3Dプリンタで作った形状は内部がメッシュ構造になっているため、重さは比較にならないほど軽いです。
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上:NC加工(サンモジュールTW)
下:3Dプリンタ(ABS)


結果

結果は思った以上に精度良好でした。
若干幅広く出来上がってしまいましたが、サンドペーパーで少し(0.1mm程度)落とした程度で、しっくり収まってしまいました。
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3Dプリンタで作ったコマを収めた状態


考察

今回のコマ形状は木型表面に出るのが一面だけという形状だったので実験的に製作してみました。
まだ鋳物屋さんには見てもらっていないので製造に使ってもらえるかわかりませんが、これが「型」として使えるならば、また別の部品も製作してみたいと思います。

また、今回は簡単な形状だったために一発でキレイに収まったのかもしれません。
鋳物屋さんからOKが出ればもう少し複雑形状も製作してみたいと思います。